著者
瀬戸 寿太郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.9, no.11, pp.939-945, 1960-11-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

アミノ酸類の乾燥温度を検討する目的で蛋白性アミノ酸ならびにその化合物およびベタインなど21種類を精製し,改良型東工試式熱天秤を使用,白金線片を試料中に混在せしめて試料温度分布の均一化をはかり,それらの熱分解経過が階段的に一定の機構に沿うことを明らかにした.この実験によればアミノ酸類の分解温度は文献報告値よりも低い傾向にあった.また,L-リジン塩酸塩・二水加物,L-グルタミン酸ナトリウム塩・一水加物,L-ヒスチジン塩酸塩・一水加物の結晶水放散温度は一定であった.
著者
瀬戸 寿太郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.9, no.8, pp.672-679, 1960-08-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
15

17種の高純度蛋白質性アミノ酸について旋光分散を測定し,その分析化学への応用について検討した.1.各アミノ酸について簡略Drudeの式[M]=A/(λ2-λ2c)±B/λ2を求め実測値と比較した.2.λ2~1/[M]曲線をつくり,チロシンを除くすべてのアミノ酸が直線となることを示した.また,これを利用してアミノ酸の純度検定のおこなえることを示唆した.3.アミノ酸の紫外部吸収スペクトルを測定し,その吸収極大値λmaxと旋光分散より求めたDrude式中のλc(固有振動の波長)の関係を検討した.