著者
瀬戸 恵佑
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.260_3, 2016

<p> 現在野球界において効率的なトレーニング方法の研究が数多く行われている。しかし育成年代の野球選手における多くのトレーニングは非効率であり、トレーニング時間も長時間におよぶことが桑田らをはじめとして問題提起されている(2010)。本研究では男子中学生シニアリーグ選手のトレーニング中の移動距離および移動速度と生理学的応答について、携帯型GPS装置、携帯型心拍数計を用いて測定し、トレーニング時間および運動強度を明らかにすることを目的に行った。本研究で得られた主な結果は以下のとおりである。トレーニング時間は8時間であり、トレーニング中の総移動距離は9732 ±434m、トレーニング中の最大速度は19.6 ±3.7km/h、トレーニング中の心拍数は平均126 ± 9拍/分、最大心拍数が170 ± 10拍/分、そして心拍数水準は61 ± 4%であった。また投球練習中と打撃練習中における酸素摂取量、エネルギー消費量、METSの測定も行った。以上のことからシニアリーグにおけるトレーニングは長時間におよび、比較して実際のプレー時間が極めて短い可能性があるため、間欠的トレーニングや少ない時間で効率を重視するようなトレーニングを取り入れていく事が重要であると考えられる。</p>