著者
瀬谷崎 裕之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.160-168, 2004-06-15 (Released:2017-01-31)
参考文献数
12

近年の科学技術の発展はめざましく,現代社会は科学技術の恩恵を享受している.一般市民から見ても携帯電話,パソコンやインターネットの普及,電化製品のIT 化などが生活を大きく変え始めていることを実感できる.グリッド・コンピューティングが実現されれば,ビジネス分野の情報サービスも劇的に変化する.ユビキタス・ネットワークや超小型IC チップ(無線タグ)も社会生活やビジネスを大きく変える可能性がある.このような現代社会や近未来の社会では,科学技術の恩恵とは裏腹にいままでにない新たな脅威が発生する可能性がある.本稿では,現代社会が直面している科学技術の脅威に対してどのように対処すべきか,危機管理の観点から検討する.
著者
瀬谷崎 裕之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.95-101, 2022-04-15 (Released:2022-04-15)
参考文献数
11

技術は不可能を可能にし,経済を発展させるとともに社会の利便性や経済効率を格段に高めてきた.一方で,技術の負の側面が顕在化しつつあり,米国では技術が経済格差の主要な要因とされ,テクノロジー失業の懸念が高まっている.2020 年の米国大統領選ではSNS が社会の分断を助長し,日本でもインターネット上でのコミュニケーションは誹謗中傷やキャンセルカルチャー,犯罪利用などの社会問題を引き起こしている.生命科学分野では1990 年代から倫理的・法的・社会的課題(ELSI)研究が開始され,近年では,情報技術,人工知能など幅広い新技術分野でその重要性が認識されている.本稿では社会課題を含めて広く課題解決に活用されつつあるU 理論を紹介するとともに,ELSI 分野での利用可能性を検討する.