著者
瀬邊 惠鎧
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.1130-1136, 1943-08-28 (Released:2009-12-22)
参考文献数
9
被引用文献数
1

(1)臺灣に野生せる蛙絲草の精油の主成分は一種のケトンにしてペリラケトンと命名せるが,β-フリル-イソアミル-ケトンなるを見たり.(2)ペリラケトンとα-フリル-イソアミル-ケトンとの對應する結晶性誘導體は混融して融點變化顯著ならざる事少からず.(3)ペリラケトンに亞硝酸エステル及ナトリウムを反應せしめフラン-β-カルボン酸を生ずるが,中間體と考へらるイソニトロソ化合物をも分離し得たり.(4)ペリラケトンはフランのβ-置換體研究の好材料と信ず.