著者
堤 理恵 大藤 純 福永 佳容子 筑後 桃子 瀬部 真由 井内 茉莉奈 堤 保夫 西村 匡司 阪上 浩
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.803-806, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
12

重症患者における栄養管理の重要性は広く認識されつつある。一方で、侵襲下においては有効な栄養指標や予後指標とされるものはなく、栄養投与量や適切な栄養組成についても議論の余地が大きい。また、その栄養投与の効果をどのように評価するか、モニタリングのポイントをどこにするか、これについても十分な見解がないのが現状である。近年多くの施設で身近に使用されつつある体組成計による体組成の評価は重症患者の栄養評価に有用であろうか?あるいはどのように使いこなせばよいのだろうか?本稿では、体組成評価に着目し、重症患者における有用性と課題について概説したい。
著者
堤 理恵 瀬部 真由 別府 香名 渡辺 涼乃 尾平 優 黒田 雅士 阪上 浩
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1019-1024, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

がんの化学療法中に味覚・嗅覚障害は頻繁に生じ、患者のquality of life(以下、QOLと略)だけでなく、体重低下や栄養状態の悪化を引き起こす深刻な副作用である。しかしながらこれまで確立された治療法や予防策はなく、食事内容や形態の工夫が主な対処法であった。味覚障害は薬剤による亜鉛のキレート化が原因であるとされているが、これに加えて味覚受容体遺伝子の発現変化や口腔粘膜障害の影響も報告されている。本稿では、化学療法中に生じる味覚・嗅覚障害の実態とともに、これに対する栄養的なアプローチを紹介する。