著者
堤 理恵 大藤 純 福永 佳容子 筑後 桃子 瀬部 真由 井内 茉莉奈 堤 保夫 西村 匡司 阪上 浩
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.803-806, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
12

重症患者における栄養管理の重要性は広く認識されつつある。一方で、侵襲下においては有効な栄養指標や予後指標とされるものはなく、栄養投与量や適切な栄養組成についても議論の余地が大きい。また、その栄養投与の効果をどのように評価するか、モニタリングのポイントをどこにするか、これについても十分な見解がないのが現状である。近年多くの施設で身近に使用されつつある体組成計による体組成の評価は重症患者の栄養評価に有用であろうか?あるいはどのように使いこなせばよいのだろうか?本稿では、体組成評価に着目し、重症患者における有用性と課題について概説したい。
著者
堤 理恵 西口 千佳 長江 哲夫 前川 ひろみ 中井 敦子 谷本 幸子 三村 誠二 長江 浩朗 栢下 淳子 中屋 豊
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.929-935, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
15
被引用文献数
1

【目的】Nutrition Support Team (NST) が稼働している施設において、整形外科手術後7日間の高齢患者に対する栄養摂取状況と必要エネルギー達成率について検討を行った。【方法】対象患者は、全身麻酔下にて整形外科手術を実施した70歳以上の高齢者とし、レトロスペクティブに検討を行った。【結果】対象患者は、本研究の趣旨に賛同した6施設、合計102症例 (男/女 : 36/66) とした。年齢78.2±5.4歳 (mean±SD)。総摂取エネルギー量は、術後1日目1012±602kcal、3日目1280±491kcal、5日目1404±431kcal、 7日目1407±420kcalであり、このうち1-2日目は輸液併用患者が42%であった。また、必要エネルギー達成率は、術後5日目は40%であった。施設間において総エネルギー量はばらつきが大きく最大で2倍以上の差が認められた。【結語】どの施設でも術後の栄養摂取状況は術後5日間で徐々に増加したが、目標量に達成している患者は全体の40%と少ないことが示唆された。
著者
堤 理恵 瀬部 真由 別府 香名 渡辺 涼乃 尾平 優 黒田 雅士 阪上 浩
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1019-1024, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

がんの化学療法中に味覚・嗅覚障害は頻繁に生じ、患者のquality of life(以下、QOLと略)だけでなく、体重低下や栄養状態の悪化を引き起こす深刻な副作用である。しかしながらこれまで確立された治療法や予防策はなく、食事内容や形態の工夫が主な対処法であった。味覚障害は薬剤による亜鉛のキレート化が原因であるとされているが、これに加えて味覚受容体遺伝子の発現変化や口腔粘膜障害の影響も報告されている。本稿では、化学療法中に生じる味覚・嗅覚障害の実態とともに、これに対する栄養的なアプローチを紹介する。