著者
久保田 理恵 瀬﨑 瑛美
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.43-51, 2023-06-10 (Released:2023-06-24)
参考文献数
14

目的:緊急避妊薬(ECP)のオンライン診療では,研修を受けた薬剤師が調剤,服薬指導を行う.またECPのover-the-counter(OTC)化についても検討されている.本研究は薬剤師のECPへの意識や取り組み現状を明らかにする.方法:無作為に選択された薬局薬剤師229名を対象に,Webアンケート調査を実施した.結果:薬剤師のECP関連知識の自己評価は作用機序の知識不足31.9%をはじめ低く,薬剤師の60.3%は女性の心理面サポートに不安があることが示唆された.オンライン診療によるECP処方箋を応需した薬剤師はいなかった.46.9%が将来研修を受講し処方箋を応需したいと考えていた.44.5%の薬剤師は,ECPのOTC化に反対だった.結論:多くの薬剤師はECPの知識不足,患者の心理的サポートに不安を感じている.対応マニュアルや説明書,OTC化への準備も必要であると考えられた.