著者
川口 梨沙 吉田 英樹 照井 駿明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.641-645, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
21
被引用文献数
2

〔目的〕ストレッチングの前処置として,表在性温熱療法のホットパック(HP)と深部性温熱療法の極超短波療法(MW)の有効性を検討すること.〔対象〕健常例16名(女性5名,男性11名).〔方法〕大腿後面への20分間のHP,MW,コントロールを実施し,ハムストリングスの筋伸張性(筋硬度,膝伸展自動可動域)と大腿後面皮膚温を比較した.〔結果〕筋硬度については,3群間で明らかな違いが認められなかった.一方,膝伸展自動可動域と大腿後面皮膚温については,HPとMWの間では明らかな違いが認められなかったが,コントロールと比較してHPおよびMWで有意に高値を示した.〔結語〕HPとMWは,筋伸張性の向上よりも皮膚への温熱刺激を背景とした伸張痛の軽減によりストレッチングの前処置として貢献し得る.
著者
原 幹周 吉田 英樹 片石 悠介 谷脇 雄次 花田 真澄 前田 貴哉 照井 駿明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.63-68, 2015 (Released:2015-03-18)
参考文献数
17
被引用文献数
2

〔目的〕生理学的指標に基づいたTENSの疼痛軽減効果の検討に加えて,TENSの刺激強度の違いによる疼痛軽減効果への影響を明らかにする.〔対象〕健常者16人とした.〔方法〕人為的な疼痛に対して周波数100 Hzでの高強度(運動域値以上)TENSと低強度(感覚閾値レベル)TENS,およびTENSを一切実施しない条件(コントロール)を実施した.各条件間での疼痛軽減効果を主観的指標であるNRSと,生理学的指標である前頭前皮質の脳血流量および自律神経活動を用いて各条件間を比較した.〔結果〕交感神経活動には明らかな違いが認められなかったが,NRSと前頭前皮質の脳血流量の結果では高強度TENSの疼痛軽減効果が最も高かった.〔結語〕高強度TENSが,主観的にも生理学的にも優れた疼痛軽減効果を示した.