著者
遠藤 片山 昭宏 田村 秀行 廣瀬 通孝 渡辺 真二郎 谷川 智洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
信学ソサイエティ, 1997
巻号頁・発行日
pp.276-277, 1997
被引用文献数
2

コンピュータネットワークが形成する電脳空間内に, 人が集い社会的営みを行う都市環境を構築する試みがなされている. 通常, この種の仮想都市の記述と表示には, 従来からのCG技術が用いられている. しかし, 幾何モデルをもとにしたCG表現には限界があるため, 最近, 実写画像に基づくImage-Based Renderingが注目を集めている. 我々は, この新技術により電脳映像都市空間を構築することを計画している. ここで, 「丸ノ内」, 「みなとみらい」といった規模の街の任意の景観を画像データとして表現するには, 従来にはない撮影方法や画像再構成手法が必要となる. WWWサイトの検索には, 広大な情報空間内をソフトウェア・ロボット(エージェント)が探索して情報を収集するのに対し, この場合は, 現実世界の都市空間を物理的なカメラがサンプル画像を収集して廻ることになる. 将来, 自律走行できるロボットが自らの判断で撮影計画を立て, 獲得した画像群を送信してくることも考えられるが, まず我々の計画の第一歩としては, 複数のカメラを搭載した自動車を運転し, 位置・姿勢データつきの映像を収集する方法を採る. 本稿では, 計画の概要と, 車載カメラや位置・姿勢センサ等を用いて試作した撮影システムについて述べる.
著者
片山 昭宏 田中 宏一良 押野 隆弘 田村 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.803-811, 1996-05-25
被引用文献数
19

本論文では, 実写画像の立体表示システムにおいて, 観察者の視点移動に伴って, 表示される画像が滑らかに変化する視点追従型立体画像表示方式を提案する. この方式は, 想定できる視点位置の画像をすべて用意し, これを観察者の視点位置に応じて切換表示するという考えに基づいている. しかし, 想定される視点位置すべての画像を得ることは, あらゆる位置にカメラを配置し撮影することとなり困難である. そこで, 本手法ではこの問題を限られた視点位置の実写画像に対して補間・再構成処理し, 任意視点位置の画像を生成することにより解決した. この方式は, 表示デバイスに依存しないので, メガネ式, レンチキュラ式, ホログラフィックステレオグラム式などの多様な3次元画像ディスプレイ方式に適用可能である.