著者
片山 英雄 林 喜美子
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

研究の目的看護婦養成においてロールプレイは患者の心情の共感的受容という「理念」を「行動的に理解」させることができる優れた教授法であると一般に言われている.これを終末期老人患者の援助場面へ適用し,その効果を実証することを目的とした.研究の実施と結果1.臨床実習で学生が実際に体験した,終末期患者の援助の事例を収集した.学生の報告の中より終末期肝臓癌患者の援助に苦心した事例を選定した.これをもとにロールプレイの紙上シミュレーションの設計を試みた.その要点は,もし終末期の患者から「もうすぐ死ぬのでは?」と話しかけられたら,担当看護婦としてどう答えるか考えて記述させるものである.そして,学生の回答を共感的理解受容を基準として4段階に評価するように計画した.2.終末期老人患者の援助場面のロールプレイを,学生の実際に上演させた.その前後に紙上シミュレーションを実施して効果の確認をした.その結果,著しい向上が確認できた.すなわち,上演前でが「そんな弱気を言ってはいけませんよ」と否定したり,「元気を出して頑張りましょう」と励ましたりするなどの応答が中心であったが,上演後では「もうダメだと感じられているのですね.本当に大変ですね」など理解・受容を示す者がほとどになり学生の意識の変化が確認できた.3.これらの研究成果は今後の学生指導にも活用するとともに,第3回国際保健医療行動科学会会議,第9回日本健康心理学会などで発表する予定である.