著者
片岡 桂太郎 萩原 将文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.730, pp.91-96, 2003-03-11
参考文献数
28

本論文では,自然言語を人間の記憶と結びつけて扱うための手法として,意味記憶とエピソード記憶を統合的に扱える新しいニューラルネットワーク(意味記憶及びエピソード記憶ニューラルネットワーク - Semantic memory and Episodic memory Associative Neural Network: SEANN)を提案する.提案ネットワークでは意味ネットワークによって表された意味記憶部分を,文章概念記憶ニューラルネットワークを領域表現を用いた多方向連想メモリに記憶させる.そして,別の文章概念記憶ニューラルネットワークにエピソード記憶部分を記憶させ,エピソード記憶に関連した事項を,領域表現を用いた多方向連想メモリを通じて,意味記憶部分より想起させるのものである.計算機実験では,一つの単語から複数の意味記憶が想起できること,提案ネットワークにおいて意味記憶がエピソード記憶に関する想起を行えることを確認し,自然言語処理に対する提案ネットワークの有効性を確認した.
著者
片岡 桂太郎 萩原 将文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.758, pp.185-190, 2005-03-21
被引用文献数
2

本論文では, 自然言語を扱うための手法として, 自然言語文を入力とし、推論を行える新しいニューラルネットワーク(LPNN : Language Processing Neural Network with Inference Ability)を提案する.LPNNに入力された文は, 前処理として形態素解析・構文解析が行われ, 三つ組表現という意味ネットワーク形式に分解される.LPNNは, 記憶部と制御層からなるネットワークである.記憶部は, 3層からなる階層構造で三つ組表現と文を記憶し, 想起することができる.また, 制御層は想起の結果の記憶と, 想起の制御を行なう層であり, これによって, 様々な推論を実現している.新聞記事を入力として用いた実験により, 自然言語処理に対する提案システムの有効性が確認されている.