著者
片岡 清臣
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

解析的線形偏微分方程式系に対しては初期値・境界値混合問題の座標不変かつ代数解析的な定式化,すなわちD-加群に対する定式化に成功した.同時に佐藤超関数解の境界に沿う解析的特異性伝播など超局所解析的性質を導くための主要道具となる正則関数解の層複体の柏原正樹・P. Schapiraの意味のマイクロ台の評価定理を得た.非線形方程式系については円周上を動き,弱い結合をもつ多数の振動子の共振の数理モデルである蔵本モデルに関する予想の証明に成功した千葉逸人の理論の数学的な不備を発見し修正に取り組んだ.特に主要なアイデアであり鍵となる線形作用素の一般化固有関数展開の意味を正確に与え証明した.