著者
片桐 史恵
出版者
中部学院大学
雑誌
中部学院大学・中部学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:1347328X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-41, 2008-03

本稿では、多くの喪失体験をしながらも、自分と向き合い、様々な軋轢と格闘しながらも生涯現役の芸術家として、自分自身の内面と向き合い自分自身と闘い続けたミケランジェロの生き様と、その類まれな芸術作品をとりあげ、死をテーマとした作品と作家の関係性の中に何を見出すことができるのか検討した。ミケランジェロが生涯の中で多くの作品を遺したが、生涯に4体刻んだ「ピエタ」の作品の中から初作「サン・ピエトロのピエタ」と遺作「ロンダニーニのピエタ」を中心に作品の形成及び変容について言及し、死生学の視点から考察した。