著者
早瀬 伸樹 中川 克彦 牛尾 一利
出版者
新居浜工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

アゾ染料の脱色によって生成する芳香族アミン化合物は変異原性等の毒性を有するため、更に完全に無害化する必要がある。そこで、本研究では、微生物及び酵素を用いたアゾ染料の脱色及び完全分解に関する検討を行った。1)アゾ染料であるオレンジIIのアゾ結合開裂により生成するスルファニル酸を分解するBradyrhizobium sp.No.168株を分離した。このNo.168株とアゾ染料脱色菌をオレンジIIに作用させることにより、オレンジIIが脱色され更にオレンジIIの脱色により生成するスルファニル酸の消失も確認できた。また、これら微生物を固定化することにより、連続的なオレンジIIの脱色及びスルファニル酸の処理が可能であった。2)白色腐朽菌が生産するラッカーゼを用いて、アゾ染料であるBordeaux Sの脱色により生じる4-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸の分解を確認することができた。また、アルミナに固定化したラッカーゼを用いて、4-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸の連続分解が可能であった。