著者
牧野 忠由 利光 平大
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.911-917, 1995-12-01 (Released:2017-06-02)

ハウリング抑圧や2次音源の方向定位への応用を考慮した音場の状態把握を目的に、空中を伝搬する音響信号を用いることを想定し、通常の拡声系に、計測用参照信号を重畳することを試みた。計測の対象となるのは可聴周波数帯であり、これを勘案して参照信号はPN符号により可聴周波数帯域いっぱいにスペクトル拡散されたキャリアを用いることにより各帯域での音圧レベルを低くし、拡声系本体への妨害を少なくする。以上のコンセプトに基づいて実験システムを構成し、予備的実験を行なった。その結果、音声と参照信号音が混在する場合音声レベルの高いところで参照音に誤りが発生するが、その割合は、付与する符号方式によって訂正可能な範囲であることが推定できた。