著者
牧野 晶子 朝長 啓造
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ヒトに致死性脳炎を引き起こすリス由来新型ボルナウイルス(カワリリスボルナウイルス;VSBV)は、新しい脅威となる人獣共通感染症の病原体である。本研究では、同ウイルスの病原性発現機構の解明を目的とした。VSBVと遺伝的に近縁であり、ヒトに低病原性と考えられるボルナ病ウイルス(BoDV)の組換え技術を応用し、高病原性のVSBVとのキメラウイ ルスを人工合成して、ラットにおける病原性を評価した。VSBVのX/P遺伝子を持つキメラBoDVは、野生型のBoDVと比較した高い致死率を示し、脳内ではサイトカ インの発現上昇が観察された。VSBVはBoDVよりも高い病原性を持つ可能性が示された。