- 著者
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牧野 由佳
- 雑誌
- 人間文化研究 = Studies in Humanities and Cultures (ISSN:13480308)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.59-69, 2018-07-14
現在、多くの祭りや民俗芸能の現場においては、少子化や過疎化、さらに若者の関心がそれらに向かないことによる担い手不足が起こっている。氏神の祭祀や民俗芸能は、以前は若衆組や青年団といった青年組織が担う場合が多かったが、現在は高齢者が祭りを運営したり、子ども会との連携によって担い手を維持する地域が増えてきている。そのような中、愛知県知多市で継承される「朝倉の梯子獅子」は、現在も青年組織が演技等の担い手の中心として活動をしている。だが、朝倉の青年組織の形態はこれまで変化せず維持されてきたのではなく、社会情勢等に影響を受けつつ、柔軟に対応し、組織を再構成しながら現在に至っている。本稿は、その朝倉の青年組織の再構成の様相を示し、形態的特徴を明らかにしようとしたものである。