- 著者
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牧野 貴斗
濱川 礼
- 雑誌
- 研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
- 巻号頁・発行日
- vol.2021-GI-46, no.7, pp.1-6, 2021-06-12
本研究では CGDL (A Card Game Description Language) を用いてトリックテイキングゲームのルールを記述し深層生成を行いトリックテイキングゲームを自動生成する手法を提案する.トリックテイキングゲームとは,ナポレオンやコントラクトブリッジに代表される全員でカードを決められた枚数出し.出したカードの大小などで勝敗を決めるトリックを複数回繰り返すゲームのことである.人の顔を見ながらできるカードゲームは,コミュニケーション能力を養い,ゲームに勝つために考える過程で思考力を養うことができる知育能力があると考えられている.ただ同一のゲームを繰り返しているとセオリーが確立し思考機会の減少,遊び慣れからゲームに飽きてしまい,カードゲームの持つ知育能力が損なわれてしまう.そこで,常に新しいゲームを提供することができればこの問題を解決できると考え,カードゲームの自動生成を行った.ゲームの自動生成分野では遺伝的アルゴリズムを用いてチェッカーや Go などのバランスの取れたボードゲームを設計する試みなどがあるがこれらの研究では限られたバリエーションでしかルールを表現できていない.そこで本研究では CGDL を用いてトリックテイキングゲームのルールを記述することで様々な形式に対応させ,これを深層学習で学習させることで,ルールをより多彩に表現することを試み,生成したゲームの評価を行った.