- 著者
-
犬塚 正智
- 出版者
- 創価大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
本年度研究テーマは,「日韓台韓の半導体企業の特許がイノベーションの創出についてどのような関係があるのか」であった。昨年と同様な方法で,資料収集とデータ分析(米国ボストンのハーバード大学での研究者との交流会,研究会や個人的なコンタクト)を通して多くの知識を得ることができた。具体的な活動として①米国への研究会,研究セッション,TC2800CustomerPartnershipなどにに参加した。2017年8月にボストンとニューヨークでセッションに参加。USPTO主催の国際シンポジウム,ハーバード大学研究者との個別のやり取り,NBER(米国経済研究所)からの経済,特許データの収集を行った。数社ベンチャー企業の経営者との面談や大学研究会では,特許がスタートアップ資金として活用されている仕組みやその実績などについて多くの知見を積むことができた。Boston Univ.,Harvard Univ.,Northwestern Univ.などの知的財産に関する講義資料やデータを入手したことは,日本の半導体研究開発や応用技術に活用できる可能性がある。②日本での調査研究は,日本半導体装置協会を約5カ月おきに訪問,最新の半導体,半導体装置に関するデータと情報,さらにトップとの懇談,インタビューを行った。特に会員様企業役員,開発者とのインタビューは貴重な資料作成となった。イノベーションに関するデータの裏図けについて,現場と分析結果から理論化を進めるうえで大変に役に立った。③企業再生に関する活動として,JETROや日本台湾協会から論文,資料などから関連データを収集することができた。また,これまでの資料やデータをもとに,2017年11月に『半導体企業の組織構造,知財戦略および競争力』同文館出版,という単著に纏めて発刊することができた。今後は資料,データをもとに理論的な考察と仮説-検証のモデル化を進める。今後の計画として,半導体企業へのインタビューとデータ収集・分析を引き続き実施する。