著者
川端 悠士 狩又 祐太
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.486-492, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

【目的】THA 例に対する漸減的な補高挿入が,PLLD 軽減に有用か否かを明らかにすることとした。【方法】対象は初回片側人工股関節全置換術を施行した6 例とした。研究デザインはAB デザインによる被検者間マルチベースラインデザインとし,独立変数を補高挿入の有無,従属変数をPLLD とした。A 期には関節可動域運動・筋力強化運動・歩行練習といった通常の理学療法を実施した。B 期にはA 期の運動療法に加え,PLLD 値と同一の厚さの補高を挿入し歩行練習を実施した。6 例を術後3~9日をA期とし術後10 ~30 日をB 期とする2 例,術後3~16日をA 期とし術後17 ~30 日をB 期とする2 例,術後3~23日をA期とし術後24 ~30 日をB 期とする2 例に無作為に割りつけた。【結果】ランダマイゼーション検定の結果,A 期に比較してB 期におけるPLLD の減少が有意に大きかった。【結論】PLLD を有するTHA 例における補高使用の有用性が示唆された。