1 0 0 0 OA E型肝炎の臨床

著者
矢野 公士 玉田 陽子 八橋 弘
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.188-194, 2009 (Released:2009-02-05)
参考文献数
32
被引用文献数
2

E型肝炎は世界中に遍在している疾患である.本邦では,遅くとも1980年ごろには散発的なE型肝炎の発生がおこっており,近年増加傾向にある.E型肝炎ウイルスには4つの遺伝子型があり,このうち本邦に土着しているのは3型および4型である.元来熱帯地方で報告されてきた1型ないし2型とは異なった疫学,臨床的特徴を示す.3型と4型との間にも相当の地理的分布,臨床的差異が存在し,4型HEVはE型急性肝炎の重症化と関連している.本稿では,近年明らかになってきた,本邦におけるE型肝炎型肝炎の現状,ならびに疫学と遺伝子型を中心としたE型肝炎の臨床的特徴について述べる.