著者
王 喜宏 松本 忠
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.917-932, 1997
参考文献数
19
被引用文献数
1

本論文ではファジィ制御に用いられる種々の推論法によるファジィ制御器の非線形特性の考察から、拡張Haddad法である非線形制御系の時間領域安定解析法が任意の推論法による制御器を持つファジィ制御系の安定解析に適用できることを次の代表的な推論法をもつファジィ制御系の安定解析を具体的に行うことによって検証している。即ち、直接法である(1)min-max-重心法、(2)product-sum-重心法、(3)関数型推論法に対しては、2入力1出力ファジィ制御器を、間接法(塚本の方法)に対しては、3入力1出力ファジィ制御器を用いている。ここでの安定条件は、任意の推論法による制御器を持つファジィ制御系の有界入力有界出力安定性と大域漸近安定性の十分条件が制御器の入出力空間の象限分割による象限特徴量、制御対象のインパルス応答の正、負面積、及び入力信号の終端上、下界などの特徴量に関する非線形連立代数不等式より定まる集合の有界性と収束性で与えることが示されている。同時に、本論文では、最も基本的な2入力1出力ファジィ制御器を持つファジィ制御系のための安定定理とその証明が詳しく与えられている。本論文で提案された安定解析法は制御器の非線形特性に特別な形を要求していないため、使われる推論法によらずに普遍的に適用でき、特に、関連型推論法を用いるファジィ制御系の場合では、制御規則の後件部関数が非線形の場合でも適用可能であることを特徴としている。