著者
甘露 純規
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.16-31, 2019-11-15 (Released:2020-11-15)

江戸期、抄録は読書の際に、気に入った文章を抜き書きし記憶する行為だった。こうした抄録は読者にとって単に文章表現を記憶するだけでなく、気の概念を媒介として、自らの作文のための想像を掻き立てた。本稿では、明治二一年の吉田香雨『小説文範』を手掛かりに、抄録物を生み出した文化的背景、具体的には明治期以前の記憶と想像の関係を明らかにした。また、こうした明治以前の記憶・想像についての言説が、明治期の心理学の移入の中でどのように解体されていくかを示した。
著者
甘露 純規
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1-9, 1999-11-10 (Released:2017-08-01)

明治八年、永峯秀樹『支那事情』と仮名垣魯文『現今支那事情』との間に「盗作」事件が起こった。この事件は、誰が、どのような論理により、無断借用による出版物を告発するのかという問題をめぐり、出版物についての江戸期以来の考え方と新たに登場した版権思想が激しく争った事件であった。本稿では、永峯と魯文双方の言い分を等しく分析することで、この事件の実態と文化史上に持つ意味を明らかにした。
著者
甘露 純規
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1-9, 1999

明治八年、永峯秀樹『支那事情』と仮名垣魯文『現今支那事情』との間に「盗作」事件が起こった。この事件は、誰が、どのような論理により、無断借用による出版物を告発するのかという問題をめぐり、出版物についての江戸期以来の考え方と新たに登場した版権思想が激しく争った事件であった。本稿では、永峯と魯文双方の言い分を等しく分析することで、この事件の実態と文化史上に持つ意味を明らかにした。