著者
村上 泰子 大城 善盛 生嶋 圭子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.17-31, 1998-03
被引用文献数
1

本稿は, 小規模大学の図書館で実施されているグループ(学生)を対象とした, 利用者教育の実態調査報告である。過去2年にわたって規模別に実施してきた一連の調査のしめくくりにあたる。これまで同様アンケート調査法を採用し, オリエンテーションとそれ以外の利用指導に二分し, それらの指導内容, 方法, 規模, PRの方法等ついて調査した。結果は268館中105館が図書館独自のオリエンテーションを実施し, 132館がオリエンテーション以外の利用指導を実施していた。大規模大学, 中規模大学の調査結果との比較により, 小規模大学の特徴として次の2点が明らかになった。ひとつは図書館ツアーの実施率が高いことであり, もうひとつはオリエンテーション以外の利用指導で, 中規模大学に見られたオリエンテーションのレベルと専門的指導のレベルとの両極化傾向が見られなかったことである。この他, 国公立と私立, 関東と関西, 首都圏および京阪神地区とその他, 医歯薬系とその他の比較も試みた。