著者
長嵜 彰 川名 隆司 住友 健三 生野 猛
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.1242-1247, 1990-12-20 (Released:2017-01-01)

直腸内に生理食塩水を注入しつつ, 直腸肛門内圧を測定した.正常児では生理食塩水注入後3分以内で肛門内圧が下降し, 直腸と同じ波形を示すか, 小さな収縮波を示した.便意は87%に認められた.生理食塩水を500ml保持できたのは38%であった.一方, 特発性便秘症では生理食塩水注入後3分以内に肛門内圧が下降したのは1例のみで, 他は8分以後に下降するか, 全く下降しなかった.肛門内圧の波形も大半は弛緩を示した.便意を示したのは25%で, 生理食塩水500ml保持できたのは76%であった.以上のことより, 特発性便秘症では直腸は容積が大きく, 感受性に乏しいとともに, 直腸と肛門の協調機能にも問題があることが示唆された.