著者
茎津 智子 井上 由紀子 岩本 喜久子 田中 さおり
出版者
天使大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

死別した子どもを持つ親の語りの分析では、子どもは死別した人との新たな関係を構築するプロセスとして家庭内の仏壇の存在や墓参りなどが、わが国においては重要な役割を担っていることが示唆された。一方で看護職への調査では普段から子どもに関わる現場の看護職か否かに関わらず、家族と死別する子どもへの関わりに戸惑いや難しさを感じており、子どもの死の理解や子どもと死の問題を語ることの意味を考える機会がないことが背景にあった。また、小中学校教員への子どものグリーフに関する研修会への参加者が少なさからも、子どものグリーフに関して理解や関心が十分でない実態がみえてきた。以上から子どもと死の問題に関する学習会や事例検討を積極的に展開する必要があることが示唆された。