著者
竹中 隆 田中 俊幸 Jessi Johnson 周輝 Takenaka Takashi Tanaka Toshiyuki Johnson Jessi Zhou Hui
雑誌
【C】平成19年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.186-191, 2007-09-04

マイクロ波を用いた乳がん検出法として逆散乱解析手法に基づくトモグラフィ法を提案している.乳房の回りにアレイ・アンテナを配置し,送信アンテナからマイクロ波パルスを乳房に照射し,受信アンテナで受信した散乱波データを用いて乳房内部の電気的特性に関する分布(誘電率分布及び導電率分布)を映像化する方法である.画像処理に時間がかかるが組織を特定できる利点を有する.このマイクロ波トモグラフィ法をMRIデータにもとづく2次元マイクロ波用数値ファントムに適用し,直径5mm程度の乳がんを検出できる可能性を示している.
著者
竹中 隆 田中 俊幸 周 輝 西本 昌彦
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

長崎大学の研究グループでは改良された合成開口処理法を提案した.次に乾燥した砂による地雷フィールドを作成した.この地雷フィールドに金属製の地雷を想定した直径3cm,長さ5cmの金属円柱とプラスチック製地雷を想定した直径7cm,長さ5cmの円柱(ロウソク:比誘電率2.6)を埋設し,検出実験を行い,改良された2次元合成開口処理法の有効性と現有のレーダ装置に対する地雷探査の限界を確認した.さらに,改良された3次元合成開口処理法を提案し,2次元合成開口処理では識別が困難であった模擬プラスチック地雷でも,精度良く推定できることを示した.また,処理時間の短縮化を図るため,2段階の3次元合成開口処理を検討し,マルチグリッドの概念を3次元合成開口処理に取り入れることにより処理時間の大幅な短縮(従来法で約60分の処理時間が約1分)が可能であることを示した.熊本大学の研究グループでは,地雷とその他の物体(石など)を識別するのに有効な特徴の一つとして,ターゲットの上面と下面で反射されたパルスの時間間隔を用いる方法を提案した.この特徴を用いた検出・識別アルゴリズムを基に,実際に地雷識別部を構成し,計算機シミュレーションにより有効性を確認するとともに,信頼性・安定性の検証を行った.すなわち,地雷の種類,地面の粗さ,地雷の深さ,土壌の誘電率や導電率(含水率)など,種々のパラメータの変化に対する識別性能の変化を定量的に評価し,総合的な検出・識別性能と適用限界を明らかにした.同時に適用限界についても検討にした.また,実験的にも有効性を確認するため,センサ用のアンテナシステムを構築し,これを用いたモデル実験による有効性の確認を行った.さらに,性能向上へ向けての取り組みとして,最適な低次元特徴ベクトルについての検討も行なった.