著者
田中 健二朗
出版者
高知大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では離乳後約2か月間にわたって隔離環境で飼育されたラットの社会的行動とオキシトシン産生細胞の活動レベルを解析し、幼い時期に "ひとりぼっち" で育つことが精神的な発達に及ぼす影響を明らかにした。ラットは通常、単なる物体(非社会的刺激)よりも同種の他個体(社会的刺激)により強い興味を示す。しかしながら隔離飼育された雌性ラットにおいてはこのような性質が認められなかった。また同ラットは他個体に近づく行動が少なく、社会的な関わりへの動機づけが低下していた。さらに同ラットの視床下部オキシトシン産生細胞において、同種の他個体との接触に伴う反応が正常なラットのものと比べて低下していた。