著者
田中 善正 田中 由紀子
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.623-627, 1964-07-05 (Released:2009-06-30)

陽イオン分析表の簡易化を目的として,新しい系統的分析法を考案した.すなわち,陽イオンを少数の分類試薬によって5個のグループに分類し,各グループ内のイオンはさらに細分することなしに,すべて試験紙を用いた各個反応によって検出した.試験紙は安定で長期間保存しても鋭敏度の低下しないものを用い,また試験紙が特異的に働く条件を工夫して検出反応に用いた.また検出反応の鋭敏度および試験紙の保存性を調べた.本分析法によれば,従来の系統分析表に比べて分析が非常に簡易化され,分析所要時間も短く,反応の鋭敏度も向上し,実用分析に用いてすぐれていることがわかった.
著者
斎藤 寛 田中 順 尾堂 順一 田中 善正
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.385-389, 1980-06-05
被引用文献数
3

従来,アルミニウムの定量のみに用いられていたAl^<3+>-クロムアズロールS-界面活性剤系と類似の三成分系を高級脂肪族アミンの定量に利用することを試みた.その結果,三成分系の沈殿をエタノールを用いて可溶化すれば,試薬空試験液を対照に極大吸収波長640nmにおいて測定することによって,感度よく簡便にオクタデシルアミソなどの高級脂肪族アミンを定量できることが分かった.オクタデシルアミンの場合検量線は(2.5〜10)μg/mlまで原点を通る良好な直線となり,10回繰り返しによる変動係数は0.86%であった.本法は陰イオンの影響を比較的強く受けるが,酢酸酸性下高級脂肪族アミンを抽出すれば妨害を受けない.