著者
荒井 隆行 田中 希美 片岡 竜太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.338, pp.143-148, 2008-12-02
参考文献数
14
被引用文献数
2

軟らかいゲル素材を用いて,軟口蓋が動き鼻咽腔閉鎖をする声道の物理模型を製作した.その模型では,軟口蓋から咽頭壁に渡ってゲル素材を用い,鼻腔を含むその他の部分はアクリル素材を用いた.4つの鼻咽腔閉鎖パターン(Coronal, Circular, Circular with Passavant's ridge, Sagittal)を模擬するため,ゲル素材の軟口蓋部にひもを付けると共に,両脇と後方からアクリル棒を押し込むことで咽頭側壁と咽頭後壁を動かせるようにした.これらの動作によって鼻咽腔閉鎖の度合いを連続的に変化させた結果,鼻咽腔結合部の開存面積に応じて模型から生成される音声信号の開鼻声の程度が変化することを確認すると共に,スペクトル上に極零対などが現れることを確認した.