著者
田中 英光 Tanaka Hidemitsu
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
琉球大学経済研究 (ISSN:0557580X)
巻号頁・発行日
no.75, pp.19-106, 2008-03

ケインズの『一般理論』において初めて、経済学のなかに消費関数の概念が導入された。消費関数は、『一般理論』のなかで乗数と共にきわめて重要な位置を占めている。本論文は、消費関数そして密接に関係している乗数を中心に、これらの概念に関連するいくつかの問題を検討し整理した。『一般理論』の第8章をもとに、ケインズの消費関数およびその形状そして、消費に影響する客観的な要因について検討した。そのなかで、ケインズ消費関数のミクロ理論的基礎、現代の消費関数理論(ライフサイクル仮説・恒常所得仮説)との関連について触れた。また、客観的要因で扱われている資産価値の意外な変化・時間割引率(利子率)の中で、実質残高効果・ピグー効果、そして貨幣賃金の切り下げに判うケインズ効果を扱った。第9章をもとに消費に影響を与える主観的な要因を検討した。ケインズが示した貯蓄動議はその内容が異質的であると同時に補完的で、現代の消費・貯蓄理論に多くの示唆を与えるとともに、ケインズが指摘した貯蓄動機のいくつかは、現代の消費関数理論の重要なテーマでもある。第10章をもとに、ケインズの乗数の意味、ケインズが試算した乗数の値について議論した。また、市場の不完全性それがもたらす流動性および流動性制約によって、ケインズの乗数過程がどのような影響を受けるかを検討した。最後に、ケインズ消費関数に関する定型化された事実が、その後の消費関数理論にどのような展開をもらしたか、新しい消費関数理論が登場するまでの過程を概観した。
著者
野崎 浩平 福井 淑郎 柴田 正義 田中 英光 松田 侑子 吉本 尚永 塚田 晃司
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6(2007-GN-062), pp.185-190, 2007-01-26

日本は,地理的,地質的,気候的な条件から自然災害が発生しやすい.そこで,携帯端末を用いた歩行者誘導システムを,災害時における住民の誘導に応用しようという研究がある.しかし,平常時とは異なり,災害発生時には複数の地点が通行できなくなる可能性がある.そのようなとき,適切な避難経路を再設定するためには,周辺の通行不可能な地点を把握することが必要である.本研究では,より迅速な情報収集を目指し,住民が携行する携帯端末を通じて,災害発生地点を目にした住民から直接の情報提供を受けるという手法を提案,この手法を用いた動的な避難誘導システムを提案した.
著者
田中英光 著
出版者
鎌倉文庫
巻号頁・発行日
1946