著者
林田 賢治 田中 誠人 小泉 宏太
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.853-856, 2011 (Released:2011-12-21)
参考文献数
4
被引用文献数
1

The clinical result of arthroscopic triple row suture anchor repair (combined operation of double anchor footprint fixation and single row method) for complete rotator cuff tear is reported in the present study. Twenty-two shoulders (the average age at operation was 69 years old: range 53-78) were involved and followed for more than 6 months (average follow up: 10 months). The clinical results were evaluated with JOA shoulder score and post operative cuff integrity was assessed by MRI and classified with Sugaya's classification. The pre-operative average JOA score, which was 71.5, improved to 92.1 at follow up. Regarding post operative cuff integrity, complete repair (type 1 and 2) was seen in 13 shoulders (59%), repaired with thin tendon (type 3) was seen in 2 shoulders (9%), re-tear (type 4 and 5) was seen in 7 shoulders (32%). In re-tear cases, 6 of 7 were type 4, and type 5 was seen in only 1 case. Comparing this to our previous data of repair integrity of double row suture anchor method, type 4 increased and type 5 decreased. Cutting out tendon by tight bridging sutures could be the cause of increasing type 4, and tension adjustment of bridging sutures could be important to prevent tendon cut out.
著者
原田 徳士 田中 優貴 亀村 真也 田中 誠人 廣島 玲子
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0410, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】日常生活の中で強い運動を行った後に,疲労で体が動かしにくいと感じる,または筋肉痛が起こるといった筋疲労を経験することがある。筋疲労が起こると,筋が発揮できる力が減り,俊敏性や巧緻性も低下し,パフォーマンスが一過性に低下する。また,筋疲労は筋肉痛を引き起こし,更なるパフォーマンスの低下が起こる。しかし,筋疲労とパフォーマンスの関係について調べた先行研究は少ないため,本研究では高強度運動によって大腿四頭筋に筋疲労を起こし,筋疲労がパフォーマンスに与える影響について検討した。【方法】本研究の対象者は21歳の健常男性10名で,全員より研究参加の同意を得た。まず運動前に測定を行い,次に大腿四頭筋に筋疲労を起こすため無酸素運動を中心とした運動5種類を実施し,運動終了直後に運動前と同項目で測定を行い,24時間後に再度同項目を測定した。測定項目は,パフォーマンスの指標として等速度性筋力測定機器(Biodex)を用いて大腿四頭筋の筋力測定,自転車エルゴメータによる最大無酸素パワーの測定,俊敏性の測定として反復横跳びを行った。これらの測定後に筋疲労の指標としてBorg Scale,大腿四頭筋に対する疼痛評価としてVASを行った。筋疲労を起こすための運動は,先行研究よりレッグプレス,レッグエクステンション,ジャンプスクワット,自転車エルゴメータ,ランジ歩行を行った。【結果】Borg scaleでは,運動前(6.9)に比べ運動直後(16.3)と翌日(12.1)に有意な上昇がみられた。VASでは,運動前(0)に比べ運動直後(6.99)と翌日(6.33)に有意な上昇を認めた。最大無酸素パワー,反復横跳びでは運動直後は低下したが,翌日には運動前レベルまで回復した。大腿四頭筋筋力は運動前に比べ運動直後と翌日ともに有意に低下を示した。【結論】本研究ではBorg ScaleおよびVASの結果より大腿四頭筋に筋疲労・筋肉痛(運動直後の原発性筋肉痛と翌日の遅発性筋肉痛)が生じたと考える。最大無酸素パワーおよび反復横とびでは運動直後は筋疲労・筋肉痛のためパフォーマンスは低下したが,翌日には運動前レベルまで回復していた。この理由として,運動時の姿勢や運動戦略の変更,大腿四頭筋以外の筋の代償によりパフォーマンス低下を補ったと推測した。また,反復横跳びは大腿四頭筋以外に股関節外転筋,大腿二頭筋,体幹の筋が働くとの報告があり,本研究でも翌日はこれらの筋が代償したと推測した。次に,Biodexは大腿四頭筋に特化した筋力測定を行うため他の筋による代償は不可であり,翌日の測定でも筋疲労・筋肉痛が継続していたため筋力低下が示された。以上より,パフォーマンスは筋疲労が生じると直後には低下するが,その後はパフォーマンスの種類によって運動戦略の変更や代償により筋疲労の影響を抑えることができることが示唆された。