著者
堀井 洋 田井 秀樹 山本 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.115-120, 2006-07-07
参考文献数
10

近年オンライントランザクション処理システムに対する高可用化の要求が増してきている.従来,多階層で構成されるシステムを高可用化するには,各層個別の高可用化機構を連携させた複雑な構成をとる必要があり,また,障害検知時間に依存したサービス停止時間も必要であった.本論文では,オンライントランザクション処理システムをEnd-to-Endで高可用化する機構の提案を行い,その実装と検証を記述する.本機構では,クライアントは障害検知を待たず,応答時間が遅くなった時点で同じトランザクション要求を副系のアプリケーションサーバに対して再送する.正系,副系のデータベースサーバはPAXOSコンセンサスアルゴリズムを利用してトランザクションログを複製するとともに,重複したトランザクション要求のコミットを防ぐ.我々は,本提案手法を既存のWebアプリケーションに適用し,その評価を行った.その結果,本システムが一般的なWebアプリケーションに適用可能であることを確認した.