著者
北本 朝展 堀井 洋 堀井 美里 鈴木 親彦 山本 和明
雑誌
じんもんこん2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.273-280, 2017-12-02

本論文は古典籍「武鑑」を対象として,大規模データを構造化するための全く新しいワークフローを提案する.まず「武鑑」を時間的に連続して変化する「時系列史料」という新しい種類の史料と捉え,そこから生み出される多数のバージョンをソフトウェア工学の観点から解釈し,これを板本書誌学の概念と対応させる.次にバージョン間の差分を検出する方法としてテキストベースと画像ベースのアプローチを比較し,「武鑑」では特に画像ベース差分検出が有効であることを示す.さらに差分検出と差分翻刻を合わせたアプローチを「差読」と呼び,そのためのワークフローを「人機分業」として構築することが「武鑑」の構造化の鍵を握ることを論じる.その最初の成果を「武鑑全集」として2017年11月に公開した.
著者
堀井 洋 林 正治 堀井 美里 上田 啓未 山地 一禎 高田 良宏
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.217-220, 2016-05-14 (Released:2016-07-15)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

古文書や科学実験機器など所謂”博物資料”に関しては,将来に向けた保存・継承 とともに広く社会における活用や普及が求められている.発表者らは,これまで 明治・大正期の科学実験機器資料や教育掛図資料に関する博物資料情報をリポジトリ公開し,それらに対してデジタルオブジェクト識別子(DOI: Digital Object Identifier)を付与する試みを実施してきた.本発表では,その概要を紹介するとともに,社会における活用など今後の展望について述べる.
著者
堀井 洋一 吉成 愛 中本 百合菜 郡司 ペギオ幸夫
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.31-38, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
13

The model of human's decision process by Bayesian Inference cannot represent the sudden change of the decision manner. Featuring novel Inverse Bayesian Inference, we modeled the decision process including sudden change, and evaluated the effectiveness through psychological experiments. In the experiment, the subjects progress in zigzag toward the goal in virtual 3D space by selecting the left or right. As a result, many unreasonable and sudden change decisions are observed. We show our model of decision process featuring Inverse Bayesian Inference can represent such a sudden change. We also examined examples applied to trends in stock prices and the influence of parameters of Inverse Bayesian inference.
著者
北本 朝展 鈴木 親彦 寺尾 承子 堀井 美里 堀井 洋
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.171-178, 2020-12-05

本論文は,歴史地名の構造化と統合のための地名リソースの構築を進めるとともに,地理的史料と地名リソースの間でのエンティティリンキングの可能性を複数のケーススタディの結果に基づき検証する.またこうして構築した地名情報基盤の上で「歴史的行動記録」を構造化しつつ,江戸という都市または時代に関するビッグデータ分析を進めていく上での現状と研究課題について議論する.
著者
堀井 洋一郎 野中 成晃
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

西日本各地でイノシシ猟犬の血液中抗体検査と、糞便内虫卵検査を行ない、肺吸虫感染状況を調査した。国内の犬に感染する肺吸虫は、ウェステルマン肺吸虫、宮崎肺吸虫および大平肺吸虫の3種であり、前2者は人へも感染する人獣共通寄生虫である。中国、四国および近畿の各県で131人のオーナーにより飼育されていた441頭のイノシシ猟犬の抗体検査の結果、195頭(44. 2%)が陽性であり、肺吸虫に感染していることが示唆された。
著者
日高 勇一 小池 貢史 三角 瞬 吉川 理紗 小西 祐子 佐藤 裕之 平井 卓哉 三堂 祥吾 堀井 洋一郎 都築 直 萩尾 光美
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-12, 2017-10-31 (Released:2017-11-15)
参考文献数
19

鼻腔内の未分化癌 (症例1)、移行癌 (症例2) と診断された犬2例に対し、パクリタキセル/白金製剤併用の非選択的動注化学療法を行った。それぞれの投与量は全身化学療法の推奨量の25%から35.5%に減量し、総頚動脈から注入した。症例1は著しい腫瘍の減容積が得られたが、治療後の生存期間は53日であった。症例2においても約3カ月間部分寛解が得られたが、治療後の生存期間は126日であった。本療法による副作用は、症例1ではみられず、症例2においても軽度であった。本報告における非選択的動注化学療法は、手技が容易かつ簡便であり、投薬量の減量により安全に実施し得た。本療法は、その間隔、回数および薬剤の投与量に課題が残るものの、犬の鼻腔内悪性腫瘍に対し、緩和効果が得られる可能性が示唆された。
著者
Thi Thi Zin 小林 郁雄 椎屋 和久 Pyke Tin 堀井 洋一郎 濱 裕光
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2020年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第73回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.254-255, 2020-09-18 (Released:2021-01-20)

高齢化、大規模化する現代の畜産で、24時間365日にわたり家畜の健康管理を適切に行い、異常や変化に留意し続けながら経営を継続することは容易ではない。本研究開発では、家畜生産性の改善と地域活性化の実現を目的とする牛のモニタリングシステム構築に必要な要素技術の開発を行った。ここでは、牛の栄養状態の指標となるBody Condition Score (BCS)を自動評価できる画像解析システムおよび定期的に牛のBCS評価のため経時変化モニタリングシステムの開発について発表する。
著者
安本 護 池田 尚志 堀井 洋
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J80-D2, no.11, pp.2930-2939, 1997-11-25

パーソナルコンピュータや日本語ワープロを用いた文書作成において,ユーザ自身の個性的なフォントを使いたいという要求が潜在している.ところが,日本語文書の表現には数千もの文字が必要であるため,個人でフォントを登録することは困難である.本論文では,少数の手書き入力文字をもとにユーザの個性を反映した手書き風フォント一式を生成する手法を提案する.この手法は,複数の人が筆記した手書き文字データを基準パターンとし,これに非線形の幾何学的変形を加えた後,線形結合して手書き風文字の生成を行うものである.大域的個人性を表現する非線形変換のパラメータと局所的個人性を表現する線形結合のパラメータは少数のユーザ手書き文字から決定する.また,これら二つの個人性を個別に調整するパラメータを導入し,ユーザによる個人性制御も可能とした.文字間距離に基づく客観的評価と19名の被験者による主観的評価の結果,ユーザの個人性を反映した手書き風文字が生成できることが確認できた.
著者
堀井 洋 堀井 美里 上田 啓未 林 正治 高田 良宏 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.357-361, 2017-12-02 (Released:2018-02-09)
参考文献数
7

科学実験機器資料など学術資料に対しては,組織・機関を越えた横断的な情報共有と,広く社会に向けた公開および活用が求められている.著者らは,これまで明治・大正期の科学実験機器資料や教育掛図資料に関する資料情報についてサブジェクトリポジトリを構築し,大学や自治体博物館に所蔵されている約800 点の資料情報を公開している.さらに,それらに対してデジタルオブジェクト識別子(DOI: Digital Object Identifier)を付与する試みを実施してきた.本発表では,“科学実験機器サブジェクトリポジトリ”の概要について報告するとともに,広く社会おいて資料情報を公開・活用する試みとして,SNS への資料情報の掲載や博物グッズとの連携などについて紹介する.
著者
根本 しおみ 高田 良宏 堀井 洋 堀井 美里 飯野 孝浩 林 正治
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.347-352, 2017-12-02 (Released:2018-02-09)
参考文献数
2

天文学研究資料は機器や乾板,設計図等多岐にわたっており,我が国の天文学や自然科学の発展を記録した重要な資料である.また,これら資料群は国内の大学や研究機関に広く保管・収蔵されている.資料の種類や機関を横断した資料情報の整理の手法として,我々はデジタルオブジェクト識別子(DOI)を用いた「サブジェクトリポジトリ」の構築を目指している.その嚆矢として,国立天文台岡山天体物理観測所の資料群を対象にサブジェクトリポジトリの構築を試みた.天文学分野では,常に最新の科学技術が研究・観測に適用され,かつ観測プロジェクト単位で観測機器を独自に製作・運用する,いわゆる一品物の観測機器等が多いことから,観測データを再利用するには併せて観測機器やその図面,マニュアル等の関連資料についてもリポジトリ化・オープン化することが求められる.本稿では天文学研究資料の分類,サブジェクトリポジトリの構築,および,DOI による観測機器を中心とした資料間の関連付けの検討について報告する.
著者
堀井 洋
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.305-308, 2017-12-02 (Released:2018-02-09)
参考文献数
3

地域に現存する博物資料に関する情報のオープン化は,大学・自体における情報公開の流れの中で 急速に進んでいる.今後,インバウンド観光の推進や地域学習の普及などによって,さらにこの動きは発展することが予想されるが,古文書や標本・考古遺物など多様な地域の資料をオープン化するためには,資料の存在肯定から整理・保管・デジタル化までを一体的に考える必要がある.本発表では,事例を通して現状や課題を整理・考察する.
著者
堀井 洋 沢田 史子 林 正治
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1172-1177, 2012-10-15

これまで古文書や掛図などの歴史資料は,大学や博物館など学術機関で取り扱われる研究対象であり,収集・保存・展示されることが一般的な学術資料として認知されてきた.「難しい」「難解な」「取っ付き難い」と世間一般に捉えられていたそれら歴史資料を活用して,遍プロジェクトでは歴史観光情報コンテンツの作成および実証実験を実施している.本報告では,石川・金沢地域の歴史資料「梅田日記」を基にした「梅田日記ぶろぐ」およびスマートフォン歴史観光ガイドアプリを事例として,情報技術による歴史資料の新たな活用ついて紹介する.
著者
林 正治 高田 良宏 堀井 洋 山下 俊介
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、研究データリポジトリにおけるメタデータの版管理手法およびバージョン管理された研究データ引用手法を提案し、プロトタイプシステムによる機能検証を実施した。版管理手法では、コンテンツおよびメタデータの双方の版を管理することとした。永続識別子はランディングページ毎に付与し、Memento Frameworkによる版管理情報の提供を実施した。研究データ引用手法では、Citation Style Languageによる引用情報の提供手法についての検討を実施した。
著者
高田 良宏 林 正治 堀井 洋 堀井 美里 山地 一禎 山下 俊介 古畑 徹
出版者
大学ICT推進協議会
雑誌
大学ICT推進協議会2015年度年次大会(AXIES2015) 論文集 (ISSN:21867127)
巻号頁・発行日
pp.2-8, 2015-12

近年,研究資料に関するキーワードとして,オープン化,ビックデータおよびオープンサイエンスが挙げられ,資料を永続的に蓄積し再利用可能な情報基盤の整備が急がれている.我々は,整備が進んでいない非文献資料において,非文献資料版ビッグデータ・オープンデータ化に対応した情報基盤の開発を進めている.本稿では,全体構想と現在までの成果である学術資源群を基にしたサブジェクトリポジトリ構築の進捗状況等について述べる.
著者
中尾 信雄 小野寺 良次 稲澤 昭 別納 征欧 長谷川 信美 山内 清 六車 三治男 堀井 洋一郎 藤代 剛 林 国興 森下 敏朗 林 綾子 田原 秀隆 高橋 勝南 竹之山 愼一 上島 良介 目 和典 堤 孝彦 駒谷 謙司 置本 宗康 河野 謙宗 北爪 惣 佐藤 玲史 高橋 信也
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.17-38, 2001-12
被引用文献数
2

本研究では、カンショ焼酎粕(濃縮液+脱水ケーキ)を主原料とし、大豆粕を副原料として製造した焼酎粕ペレット飼料の成長、飼料効率、肉質等に及ぼす影響を検討するため、期待体重60から115kgまでの交雑種(WL×D)による飼養試験を1回(実験1、加茂牧場、中部飼料株式会社)、期待体重60~115kgまで(実験2)、期待体重30から115kgまで(実験3)ならびに期待体重10から115kgまで(実験4<通しの試験>)のバークシャー種によるフィールド試験を計3回(永田種豚場)行った。試験飼料の焼酎粕含量率は、乾物当りで、加茂牧場(実験1)2.26%、永田種豚場(実験2)1.77%、永田種豚場(実験3)3.00%(期待体重30~60kg)、3.00%(期待体重60~115kg)、永田種豚場(実験4)2.90%(期待体重10~30kg)、2.42%(期待体重30~60kg)、2.26%(期待体重60~115kg)であった。対照飼料としては、市販飼料を用いた。得られた結果は以下の通りである。 (1)実験1の加茂牧場における期待体重60~115kg間の飼養試験では、試験区の平均1日増体量は対照区よりも約19%高かったが、平均1日飼料摂取量が対照区より約13%高くなったので、結果として飼料効率は試験区が対照区より約6%高い傾向を示すにとどまった。肉質等には試験区・対照区間に差は認められなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高かった。 (2)実験2の永田種豚場における期待体重60~115kgまでのフィールド試験では、試験区よりも対照区の方が、1日増体量で10%、飼料効率で15%ほど高くなった。これは、この試験に用いた配合飼料の焼酎粕含量が1.77%と他の試験に比べてきわめて低かったことが影響しているのかも知れない。なお、血液成分や健康状態には差は見られなかった。一方、行動面では、試験区において社会的序列の上下差が大きく、それによる耳かじりなどの異常行動が見られた。肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が高い傾向にあった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 (3)実験3の永田種豚場における期待体重30~115kg区間では、平均1日増体量は試験区が対照区よりも約10%高かったが、試験区の平均1日飼料摂取量が対照区よりも約7%高かったので、結果として飼料効率は試験区が対照区より約3%改善されたにとどまった。なお、血液成分や健康状態には差が認められなかった。 この試験の中の60~115kgの部分を抜き出してみると、この場合は、実験2の結果と違って、区内平均1日増体量は対照区よりも試験区が約10%高くなり、飼料効率も試験区で約5%改善された。なお、肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高い傾向にあった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 (4)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重10~30kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約21%も高かった。区内平均1日飼料摂取量は試験区・対照区間に差が認められなかったので、結果として飼料効率は試験区が対照区よりも約21%も改善された。 (5)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重30~60kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約6%低かった。区内平均1日飼料摂取量も試験区が対照区間より約6%低かったので、結果として飼料効率は試験区・対照区間に差は認められなかった。 (6)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重60~115kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約2%低かった。区内平均1日飼料摂取量も試験区が対照区に比べて約4%低かったので、結果として飼料効率は試験区・対照区間に差は認められなかった。 (7)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重10~115kg区間では、区内平均1日増体量は試験区・対照区間にほとんど差が認められなかった。区内平均1日飼料摂取量は試験区が対照区よりも約2%低く、結果として飼料効率は試験区が対照区よりも約3%改善された。通しの結果を総合してみると、離乳期子豚に対する焼酎粕ペレット飼料給与の効果が著しいと言える。肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高かった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 以上、肉用豚肥育期の成長に対する焼酎粕ペレット飼料給与試験の結果を総合すると、焼酎粕ペレット飼料の給与は、市販の対照飼料並みまたはそれ以上の成長促進効果があると考えられる。また、焼酎粕ペレット飼料給与豚の肉のビタミンE含有率は、対照飼料給与豚の肉よりもほぼ有意に高まり、肉の官能検査では、総合的な好ましさが認められた。
著者
野中 成晃 堀井 洋一郎
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

牛の膵蛭および小形膵蛭の生体診断法として、ナイロンメッシュ濾過虫卵検査法および糞便内抗原検査法を開発した。日本各地および海外(ブラジル、ベトナム)から得た虫体の遺伝子を解析して2種の種としての独立性を明らかにしたが、一方で、形態学的鑑別が困難であることを示した。さらに、これまで詳細な検討がなかった治療法として、プラジカンテル25mg/kg1回経口投与が有効であることを示した。
著者
堀井 洋 林 正治 堀井 美里 沢田 史子 吉田 武稔
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.16, pp.1-7, 2009-07-18

地域歴史観光分野において歴史資料を題材とした商品の企画を行う際には,「その歴史資料がどのような観光的特徴を,どの程度含んでいるのか?」を具体的に企画者が把握することが必要である.しかし,歴史資料の記述内容を歴史学専門家以外が正確かつ客観的に把握・評価することは,歴史学的な知識や経験などの問題から非常に困難であり,この「歴史資料の難解さ」が歴史資料の活用促進を阻害する一要因となっていた.そこで本論文では,歴史資料に含まれている観光的特徴・要素の客観的な評価について論じる.観光的特徴評価に際しては,現代の観光事情を反映した観光分類を定義して歴史資料中に出現する単語の定義分類を行い,それらがどのように歴史資料中に含まれているか明らかにする.Recently, some history tourism products are proposed and developed in Japan. In development process of history tourism, understanding of historical records by developers themselves in local region is important. In this paper, we proposed an analysis method of historical and touristic characteristics for history tourism.
著者
堀井 洋 中野 節子 林 正治 宮下 和幸 沢田 史子
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、近世加賀藩家臣団の網羅的な記録である「先祖由緒并一類附帳」(金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵、以下「由緒帳」)を対象として、藩制組織の統計的かつ客観的な全容解明を目的とする。これまでに、以下の2点についてデータベース化と公開にむけた実装を行った。第一に、「由緒帳」作成者に着目した構成家臣の分析であり,その主たる目的は、加賀藩士については、身分・階層を明らかにすることである。第二には、「由緒帳」中の上級家臣(人持組)部分について、画像テータの撮影と記述内容の解読を実施した。
著者
堀井 洋 田井 秀樹 山本 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.115-120, 2006-07-07
参考文献数
10

近年オンライントランザクション処理システムに対する高可用化の要求が増してきている.従来,多階層で構成されるシステムを高可用化するには,各層個別の高可用化機構を連携させた複雑な構成をとる必要があり,また,障害検知時間に依存したサービス停止時間も必要であった.本論文では,オンライントランザクション処理システムをEnd-to-Endで高可用化する機構の提案を行い,その実装と検証を記述する.本機構では,クライアントは障害検知を待たず,応答時間が遅くなった時点で同じトランザクション要求を副系のアプリケーションサーバに対して再送する.正系,副系のデータベースサーバはPAXOSコンセンサスアルゴリズムを利用してトランザクションログを複製するとともに,重複したトランザクション要求のコミットを防ぐ.我々は,本提案手法を既存のWebアプリケーションに適用し,その評価を行った.その結果,本システムが一般的なWebアプリケーションに適用可能であることを確認した.