著者
田伏 未来 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.1089-1097, 1999
参考文献数
18

<p>本研究では、人間が実行した操作データを用いることによりスキルを自動学習する手法を提案している。例題として、スキルの必要なゲーム、テトリスを用いている。学習、なかでもスキルの獲得や向上は人間の本質的なものである。機械学習においては、人間の学習過程を調べ計算機によりシミュレーションを行う研究が行われてきた。本研究では、ファジィ推論ニューラルネットワーク(Fuzzy Inference Neural Network:FINN)を用いて、テトリスのスキルをif-then型のルールで獲得し、検討を行うことを目的としている。学習データとして人間が実行したデータを与えることにより、ルールを自動的に生成することも可能となった。さらに学習データを追加することでスキルを向上させていくことが可能となった。また生成されたルールを調べることで獲得したスキルについて検討を行った。計算機シミュレーションにより、学習データの追加によるスキル向上が確認された。また提案システムが獲得したスキルは、生成されたルールにより明示的に表現された。また学習データ提供者の熟練度の違いを検討し、熟練者は初心者に比べ、より先を考慮しながらテトリスを実行していることが示唆された。</p>