著者
田守 正樹 山田 章
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

ナマコの体壁真皮はキャッチ結合組織と呼ばれる刺激に反応して硬さが変わる結合組織である。細胞外基質に直接作用して真皮を軟化させる物質は、これまで知られていなかった。我々は強い機械的刺激をあたえると著しく軟化するシカクナマコの真皮から軟化タンパク質を精製し、ソフニン(softenin)と名付けた。ソフニンの分子量は約20 kDaであった。ソフニンは生きた細胞を含んだナマコの真皮だけでなく、細胞を破壊した真皮も軟化させたので、ソフニンは真皮の細胞外基質に直接作用して真皮を軟らかくすると考えられる。