著者
田川 哲也 花土 弘 岡本 謙一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.100, pp.23-28, 2003-05-23

TRMM衛星[1]を継承するGPM(全球降水観測)衛星計画が地球全体の降水を観測するために計画されている[2]。衛星搭載レーダによる降雨観測における問題の一つは、レーダが地球表面にふりそそぐ降雨を観測する為、地球表面からの強いエコーと雨からの弱いエコーを同時に受信してしまう事である。本研究では、35.5GHz帯能動型フェーズドアレイ降雨レーダによる降雨観測に及ぼす地表面クラッタの影響を評価する。まず、35.5GHz帯導波管スロットアレーアンテナの放射パターンを励磁電流に含まれるランダムな誤差を考慮して計算する。次に、降雨エコーに対する地表面からの受信電力の比(S/C比)を海面の散乱係数を用いて計算する。最後にアンテナビームの走査面をその走査面に直角な面内で傾ける事により、サイドローブクラッタの低減効果が得られる事を説明する。