著者
西口 亮太 田方 俊輔 陰山 建太郎 泉 典洋 関根 正人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.30-41, 2020 (Released:2020-05-20)
参考文献数
22

気象予測のデータ同化手法として予測精度向上に貢献している随伴変数法を用いて,河川流解析における計算条件の逆解析を示した.一次元不定流を対象に随伴方程式・感度を導出し,数値計算方法を示した上で実河川における適用性を検証した.多点水位情報を用いたデータ同化により任意地点の流量を推定可能であることを示し,水位計の基数によって精度が変化することを確認した.また,河道網を対象とした場合も同様に同化精度が高いことを示した.さらに,それを初期値とした予測計算により,2時間先までの高精度な予測水位が得られた.次に,その手法を河道形状の最適化に適用した.水位を堤防高以下とする河道形状について,河床掘削と河道拡幅の2ケースの最適化を行い,1回の計算で最適形状を決定可能であることを示した.