- 著者
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甲斐 福代
鵜養 恭介
江口 里美
西沢 茂樹
田中 勤
山口 清子
田沢 四男
杉 薫
村石 州啓
- 出版者
- 一般社団法人 国立医療学会
- 雑誌
- 医療 (ISSN:00211699)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, no.8, pp.698-702, 1985
急性心筋梗塞の合併により, 心機能の低下している関節症状の強い, 慢性関節リウマチ患者に対し, 血漿急速冷却を加えた血漿交換療法(Double Filtration Plasmapherasis: DFP)を行つた. 回路には, 2つのフィルターを用いた. 第1フィルターで分離した血漿は, 冷却槽で0°-4℃に冷却した後, 第2フィルター一に入り, ここでCryoproteinを除去し, 残りの血漿とPPF, 25%アルブミンを恒温槽で暖めてから, 血球成分と合流させ返血する方法をとつた.<br>DFPにより, 関節の運動痛, 腫脹は著しく軽減し, ベツド上で寝たきりの生活から, 歩行による外来通院が可能となつた. 検査データでは, 関節痛の消失と共にβ, γグロブリン(β-g, γ-g)が低下して, アルブミン(Alb)が上昇し, 高IgA血症が改善された. しかし, CRP, RA因子は陽性のままであつた. 本法の副作用は特にみられず, 薬物療法, 及び外科療法で, 治療効果の少なかつた慢性関節リウマチ患者に有効であつた.