著者
田渕 仁浩 村岡 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.303-304, 1992-02-24

マルチメディアデータベースでは、データと問い合わせが完全に一致することは望めない。利用者が問い合わせで意図する概念構造とデータベーススキーマが一致しなかったり、属性値が一致しなかったりするからである。例えば、大模撲中継を動画像データベースと見なすと、利用者が望む取組のダイジェストを取り出す操作は、データベース管理システム(DBMS)の役割である。しかし、実際の放送は構造化されていないので、従来のデータモデルに基づくDBMSの問い合わせ処理では取組を取り出せない。一方、取組の概念構造は「仕切,対戦,決着,礼,勝名乗り,花道」などの動作のタイトル系列として普遍であり、放送とは無関係である。従って、放送中のカット系列をタイトル化できれば、取組を構成するカット系列の切り出しや各動作場面に特有の属性値も抽出できる。その結果、例えば「力士Aが勝った取組」はある特定の認識手順で取り出せよう。しかし、従来のDBMSにはそのような認識手順に基づく問い合わせ処理を自動化する仕組はない。そこで本稿では、認識的問い合わせ処理の自動化の方法として、MeSodモデルに基づく不完全質問処理の実装機構を提案する。
著者
田渕 仁浩 村岡 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.83-84, 1993-03-01

本論文では,動画像に現れる複数の索引対象の同時点での出来事を指定した問い合わせから,指定された場面に適合すると思われるシーンを含む部分動画像を検索する方法について論じる.例えば,大相撲放送の動画像データベースにおいて,「西土俵際で投げの打ち合いをしている場面がアップになったような対戦を取り出せ」という問い合わせから,それらしい場面が現れる対戦を検索するような方法について論じる.動画像の各場面の事象を問い合わせで記述できるためには,場面毎の多くの事象に索引を付与しなくてはならない.しかし,問い合わせ条件は索引対象が多いほど,動画像に対する索引の時間間隔に対して時間的ズレを生じやすい.そのために,問い合わせに正確に一致するような場面は,事実上得られない.そこで,本論文では具体的な例を使って,こうした問い合わせを受理できるデータベースを提案中のMeSODモデルと不完全質問処理によって記述する方法について論じる.