著者
田畑 久江
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.47-54, 2016 (Released:2017-03-20)
参考文献数
8

本研究は、本邦における 「子どもの主体性」 の概念について明らかにし、病気をもつ子どもの看護に有用であるか検討することを目的とした。Rodgersの概念分析方法を用いて、看護学、教育学、心理学、発達学の和文献と書籍75件を対象として概念分析を行った。その結果、7つのカテゴリが抽出された。 「子どもの主体性」 は、子どもの【能動的な認知・情意・行動】であり【段階的に発達】するという属性で説明された。またそれは、【子どもの発達・情意・体験】と【周囲の大人の働きかけ】を先行要件とし、【子どもの健康的な自我・発達】、【子どもの前向きな情意】、【子ども自身が対処・周囲に適応する力】という帰結につながり、先行要件、属性、帰結が循環しながら発達していくことが示唆された。病気をもつ子どもへの看護には、先行要件の【周囲の大人の働きかけ】を参考にすることができ、属性と帰結は、個々の 「子どもの主体性」 をとらえ評価する際に活用できると考えられる。