著者
田邉 泰雅 水上 昌文
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.207-212, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

〔目的〕階段降段速度の違いが下肢のバイオメカニクスに与える影響について立脚相を前半と後半に区分して明らかにすることとした.〔対象〕健常若年成人20名(男性12名,女性8名)とした.〔方法〕動作計測に三次元動作解析装置と地面反力計を用い,地面反力,関節モーメント,関節角度を算出した.降段速度として3条件のケイデンスを規定した. 〔結果〕立脚相前半の膝関節伸展と足関節底屈モーメントピーク値は速度が高くなるほど大きくなり,その際の膝関節屈曲角度,足関節底屈角度も増加した.一方, 立脚相後半の膝関節伸展モーメントピーク値は速度が高くなるほど小さくなり,その際の膝関節屈曲角度も減少した.〔結語〕降段速度が下肢のバイオメカニクスに与える影響は,立脚相前半と後半で異なる.