著者
兼平 慶一郎 坂野 昇平 由井 俊三
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.388-394, 1975-11-05 (Released:2008-08-07)
参考文献数
7
被引用文献数
3 8

南房総嶺岡地域の蛇紋岩化されたカンラン岩中にアワル鉱,ヒーズルウッド鉱および自然銅が見出された。これらの鉱物は岩石中の蛇紋岩化された部分にのみ見出され,蛇紋岩化作用のときに形成されたものである。分析されたアワル鉱の組成はNi2.26Feである。また,ヒーズルウッド鉱と共存する自然銅は数パーセントのニッケルを含んでいる。アワル鉱の存在は蛇紋岩化作用が還元的な環境のもとで行われたことを示している。