著者
辻森 樹 石渡 明 坂野 昇平
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.353-362, 2000-05-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
35
被引用文献数
28 31

蓮華変成帯, 新潟県青海町上路(あげろ)地区湯ノ谷にエクロジャイト質藍閃石片岩が産する.この岩石は主として藍閃石(37%), ざくろ石(21%), オンファス輝石(19%), 緑れん石(19%)と少量の石英, 曹長石, フェンジャイト, 緑泥石, ルチル, チタン石から構成される.エクロジャイト相鉱物組み合わせ 'ざくろ石+オンファス輝石+藍閃石+緑れん石+石英+ルチル' はマトリクスの片理(S1)を構成し, わずかに二次的な緑泥石, 曹長石, 方解石に置換され, S1片理形成以前の緑れん石青色片岩相の鉱物組み合わせ '藍閃石+緑れん石+チタン石+石英+曹長石' の包有物列(S0)がざくろ石のコアに観察される.蓮華変成帯では, これまでにも残存エクロジャイト相鉱物の報告はあったが, 今回, 岩石組織と鉱物化学組成・累帯構造から, 初めて, 緑れん石青色片岩相からエクロジャイト相への累進変成作用を読みとることができた.
著者
辻森 樹 石渡 明 坂野 昇平
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.353-362, 2000-05-15
被引用文献数
7 31

蓮華変成帯, 新潟県青海町上路(あげろ)地区湯ノ谷にエクロジャイト質藍閃石片岩が産する.この岩石は主として藍閃石(37%), ざくろ石(21%), オンファス輝石(19%), 緑れん石(19%)と少量の石英, 曹長石, フェンジャイト, 緑泥石, ルチル, チタン石から構成される.エクロジャイト相鉱物組み合わせ 'ざくろ石+オンファス輝石+藍閃石+緑れん石+石英+ルチル' はマトリクスの片理(S_1)を構成し, わずかに二次的な緑泥石, 曹長石, 方解石に置換され, S_1片理形成以前の緑れん石青色片岩相の鉱物組み合わせ '藍閃石+緑れん石+チタン石+石英+曹長石' の包有物列(S_0)がざくろ石のコアに観察される.蓮華変成帯では, これまでにも残存エクロジャイト相鉱物の報告はあったが, 今回, 岩石組織と鉱物化学組成・累帯構造から, 初めて, 緑れん石青色片岩相からエクロジャイト相への累進変成作用を読みとることができた.
著者
兼平 慶一郎 坂野 昇平 由井 俊三
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩石鉱物鉱床学会誌 (ISSN:00214825)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.388-394, 1975-11-05 (Released:2008-08-07)
参考文献数
7
被引用文献数
3 6

南房総嶺岡地域の蛇紋岩化されたカンラン岩中にアワル鉱,ヒーズルウッド鉱および自然銅が見出された。これらの鉱物は岩石中の蛇紋岩化された部分にのみ見出され,蛇紋岩化作用のときに形成されたものである。分析されたアワル鉱の組成はNi2.26Feである。また,ヒーズルウッド鉱と共存する自然銅は数パーセントのニッケルを含んでいる。アワル鉱の存在は蛇紋岩化作用が還元的な環境のもとで行われたことを示している。
著者
坂野 昇平 平島 崇男 鳥海 光弘 鈴木 尭士 大貫 仁 原 郁夫
出版者
京都大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度は, 各自の野外調査と討論会を開いた. 討論会は11月22・23の両日, 京都府立セミナーハウスにて開催した. 参加者は総研メンバー・院生併せて38名に及び, 三波川帯に関する巾広い分野からの話題提供が行われた. 名発表に対して活発な議論が展開され, 大変レベルの高い討論会であった. 原岩年代論・変成相系列・変成年代については大方の意見の一致を見たが, 構造論と熱構造については意見の一致が得られなかった. 特に注目を集めた報告は, 板谷によるK-Ar年代測定であった. 彼は四国中央部汗見川で約70個の年代測定を行ない, 変成度や熱構造との関連を報告した. この研究により, 三波川帯は変成年代測定でも世界的レベルに達した. これ以外では, 横山による, 四国の第三条久万属群からの, 現在露出している三波川変成岩と同じか, それよりも高変成度の岩石由来の礫岩の発見, 高須・上阪による, 四国中央部五良津角内岩体からの異なる熱史を持ったエクロジャイトの発見も注目された. 討論会の発表内容は総研ニュースレターとして印刷し関係者に配布した.昭和62年度は討論会を開くにはやや予算が不足していたので, メンバー各自が野外調査を行うとともに, 自費研修として, 京都・舞鶴・徳島で開かれるオフィオライト野外討論会(昭和63年3月6-15日)に参加することとした. 総研報告書は, 昨年度の討論会の内容をもとに編集中である. また, 三波川変成帯の岩石学を中心とし, 世界各地の高圧変成帯の解説を加えた特集『高圧変成帯の岩石学』を月刊『地球』で発刊することにし, 現在原稿の編集中である. さらに, 三波川帯の原岩論・熱構造・時代論をJournal Metamorphic Geologyの特集号として出版する計画をたて, 編集部の内諾を得ている.