- 著者
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甲斐 教行
- 出版者
- 茨城大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
中部イタリアのフィレンツェで活動した彫刻家コッラード・ヴィーニ(1888-1956年)の伝記的消息および進歩史観を、存命する三名の弟子への取材により明らかにした。またその親交の深かったホテル・バリオーニの経営者フランチェスコ・バリオーニが依頼した同ホテル開業25周年記念メダル《ケレス》を、彫刻家が抱いた進歩史観の観点から、文明の寓意と解釈した。さらに、《ケレス》、北米の墓地のための《キリスト磔刑》、南イタリアのシチリア州ラグーサの郵政電信庁舎を飾る女性擬人像の個人像習作を初公刊し、女性擬人像の主題を同庁舎設計者マッツォーニの残した文書に基づき初めて特定し、図像分析を行った。