著者
甲斐 教行
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

中部イタリアのフィレンツェで活動した彫刻家コッラード・ヴィーニ(1888-1956年)の伝記的消息および進歩史観を、存命する三名の弟子への取材により明らかにした。またその親交の深かったホテル・バリオーニの経営者フランチェスコ・バリオーニが依頼した同ホテル開業25周年記念メダル《ケレス》を、彫刻家が抱いた進歩史観の観点から、文明の寓意と解釈した。さらに、《ケレス》、北米の墓地のための《キリスト磔刑》、南イタリアのシチリア州ラグーサの郵政電信庁舎を飾る女性擬人像の個人像習作を初公刊し、女性擬人像の主題を同庁舎設計者マッツォーニの残した文書に基づき初めて特定し、図像分析を行った。
著者
甲斐 教行
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中部イタリアのシエナを中心に活躍した画家アレッサンドロ・フランキ(1838-1914年)と委嘱主の諸修道会との関連を検討し、画家の一連の宗教画に貧者への扶助等の慈善活動を促す意味内容を読み取った。またジェノヴァのサンティッシマ・アヌンツィアータ教区聖堂の壁画《無原罪受胎の教義》、シエナのサンタ・テレーサ女子寄宿学校礼拝堂装飾、そしてオルヴィエート、ボローニャ、プラートの各聖堂に所蔵される三点の《聖家族》の銘文と図像の典拠を特定し、各作品の意味内容を読解した。