著者
畑 久美子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, pp.216, 2009

《目的》手芸としてのビーズワークは、19世紀前半頃から上流階級の婦人の趣味として行われており、19世紀後期頃からは一般の家庭でも様々な生活用品にビーズを施して楽しむようになった。共立女子大学にはそうした趣味で作られたとみられるビーズワークが254点収蔵されており、前報でそれらの概要について報告した。そのような近代の手芸としてのビーズワークについて、その歴史の概論や制作方法などの書物は存在するがデザインや文化に関する専門的な研究はみられない。そこで本研究では主に服飾や手芸の観点から近代におけるビーズワークについて解明することを目的とする。《方法》共立女子大学所蔵のシアーズ=ローバック社の通信販売カタログのうち1897年から1954年のものを資料に、その誌面でのビーズに関連する商品の内容やその扱われ方について調査し、そこからみえるビーズワーク文化について検討する。《結果》通信販売のカタログは、(1)発行年と発行場所が確定できる、(2)当時確実に流通していたものである、(3)価格や商品の説明が記載されている、ことが対象となるモノの流行を知るための資料として有用であると考える。本研究の対象資料でビーズに関連する商品が掲載されているページ数、品目数、ビーズの種類数の数的推移をみたところ、大筋で、いずれも1920年代に伸び30年代には徐々に下降していき40年代以降はほとんど無くなっていくことが把握できた。通信販売のカタログである以上、売れ行きが商品掲載を左右するものとみて、1920~30年代のアメリカではビーズワークの人気が高まっていたと推測できる。