著者
湯淺 太一 安本 太一 永野 佳孝 畑中 勝実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.2392-2402, 1994-11-15
被引用文献数
1

SIMD(Single Instruction,Mu1tiple Data)型超並列計算機上で動作する拡張。Common Lisp言語および処理系であるTUPLEについて報告する。TUPLEはSIMD型超並列計算の機能をCommonLispに付加したものである。従来のSIMD型計算機用のLisp言語とは異なり、膨大な数のCommonLispサブセットの処理系が並列に動作するという計算モデルをTUPLEは採用している。この目的のために、ターゲット・マシンの各PF(Processi・Element)は、固有のヒープをその局所メモリに保有する。これらのサブセット処理系を、フルセットのCommonLisp処理系が制御し、ユーザは、フルセット処理系を使って並列プログラムの開発と実行を行う。本稿は、TUPLEの言語と処理系の概要を紹介するとともに、1024台以上のPEを有するSIMD型超並列計算機MasParMP?1におけるTUPLEの実現について触れ、その性能評価結果を報告する。