- 著者
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前川 謙一
加川 憲作
松野 康成
冨田 恵子
毛利 泰実
畠山 啓朗
勝村 直樹
山藤 正広
河村 修
端山 和雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本農村医学会
- 雑誌
- 日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, no.1, pp.52-55, 1997-05-30 (Released:2011-08-11)
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
-
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去2年間に当院を受診した農薬中毒の4例について報告した。症例はパラコート2例, スミチオン2例で, それぞれ生存1例, 死亡1例で死因はともに呼吸不全であった。パラコートの生存例は死亡例より多くの量を服毒していたが, 嘔吐が強いため, 実際の吸収量は少なく, また超急性期に胃洗浄, 人工透析, 血液吸着が行われたため救命し得たと考えられた。またスミチオンの死亡例は来院時, 原因物質が不明であり, 人工透析および血液吸着導入までの時間を要し, 呼吸不全を招来したことが死亡原因と考えられた。したがって, 原因物質の如何にかかわらず, 農薬中毒に対しては, 早期より人工透析および血液吸着を含めた集中治療を実施することが予後の改善につながると考えられた。