著者
石川 みち子 小倉 美沙子 吉田 千鶴子 木内 千晶 畠山 怜子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.69-74, 2005
参考文献数
10
被引用文献数
1

わが国は,類をみない速さで男女とも世界の長寿国となった.寿命の延長に伴い,100歳以上の高齢者(百寿者)も増え続けている.増加し続ける百寿者であるが,I県における百寿者の生活実態は把握されていない現状にある.そこで,百寿者の生活実態を明らかにすることを目的に,百寿者名簿で氏名と在住する市町村名が公表されている百寿者303名を対象として,質問紙調査を行った.データ分析は,質問紙に回答した時点で満100歳を超える180名を対象とした.基本属性,職業の有無,健康状態,日常生活動作および認知機能,食事摂取内容,介護認定状況,利用しているサービス,性格傾向,長生きの秘訣について質問紙調査を行った.今回は,日常生活動作および認知機能と,健康状態,居住形態,退職後の趣味・社会活動の関連性について検討した.居住形態については,自宅で生活している人のほうが有意に日常生活自立群が多く,自宅で生活している人のほうが有意に認知機能保持群が多かった.本研究の調査では, I県における百寿者の生活実態が明らかとなり,健やかな長寿を達成する要因を検討するための基礎資料となった.