- 著者
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白井 明子
小川 真生
広田 京子
吉崎 智一
小川 恵子
- 出版者
- 一般社団法人 日本東洋医学会
- 雑誌
- 日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.1, pp.22-27, 2015 (Released:2015-06-29)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
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滋陰至宝湯は『万病回春』巻之六・婦人虚労門収載の中国・明時代(1368~1644)の方剤で,気鬱を伴う慢性咳嗽に有効であるとされている。滋陰至宝湯は,その構成生薬から,滋養し,虚熱を冷まし,気を巡らせ,消化機能を高めるという滋陰清熱,理気健脾の方剤と言える。今回われわれは,本方剤が奏効した舌痛症,咽喉頭異常感症の3症例を経験した。口渇,口乾,粘稠痰といった陰虚症状を伴い,腹部右側の鼓音をはじめとする気鬱の症候を認める舌痛症,咽喉頭異常感症には,滋陰至宝湯は有効な処方となり得ると考えた。